一日一曲(1708)ダール、マリー:ロマンス
本日は、没後50年(1976年1月20日没)を迎えらえたイギリスの作曲家兼チェリスト、マリー・ダールさんの曲をご紹介します。
【マリー・ダール:20世紀の英国でチェリスト・教育者としても活躍した、気品あふれる抒情派の作曲家】
マリー・ダールは1902年8月15日に、スコットランドのガロウェイにあるサウスウィックで生まれました。彼女は幼い頃から音楽の才能を発揮し、ロンドンの王立音楽大学(RAM)でチェロを学びました。その後、パリに渡り、伝説的な名チェリストであるパブロ・カザルスに師事。演奏家としてヨーロッパ各地で演奏活動を行い、その繊細な感性を磨きました。
作曲家としては、自身の楽器であるチェロのための作品を多く残していますが、合唱曲や室内楽の分野でも足跡を残しています。1940年代半ばからは故郷スコットランドに戻り、リード音楽大学(エディンバラ大学音楽学部)などで教鞭を執りながら、エディンバラ四重奏団のメンバーとしても活動しました。彼女の作品は、英国音楽らしい穏やかさと、カザルス譲りの歌心にあふれたスタイルが特徴です。1976年1月20日、エディンバラで73歳の生涯を閉じられました。
【本日のご紹介曲:「ロマンス(Romance)」】
本曲は、マリー・ダールの作品の中でも特に愛されているチェロとピアノのための小品です。この曲は、まるで親しい友人に語りかけるような、温かく親しみやすいメロディが特徴です。複雑な構成よりも「歌の美しさ」を重視しており、クラシック音楽に馴染みのない方でも、聴いた瞬間にその優しさに包まれるような一曲です。演奏時間は約5分という非常に短い曲です。リラックスしたい時や、一日の終わりに心を落ち着かせたい時に聴くのがおすすめです。
【聴きどころ】
1)チェロの「歌声」
チェロは人間の声に最も近い楽器と言われます。この曲では、チェロが深く、時に切なく、時に明るく歌い上げるメロディに注目してください。
2)寄り添うピアノ
ピアノはただの伴奏ではなく、チェロと対話するように優しく響きます。二つの楽器が溶け合うようなハーモニーが見事です。
3)英国の田園風景のような叙情
聴いていると、霧が晴れていくスコットランドの草原や、穏やかな午後のティータイムのような、ゆったりとした時間の流れを感じることができます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ダール、マリー:ロマンス
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