一日一曲(1714)ホイビー、リー:ヴァイオリンソナタ
本日は、生誕100年(1926年2月17日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、リー・ホイビーさんの曲をご紹介します。
【リー・ホイビー:伝統と歌心を愛した20世紀アメリカの叙情詩人】
リー・ホイビーは、1926年2月17日にウィスコンシン州マディソンで生まれました。5歳からピアノを始めた彼は、瞬く間にその才能を現し「天才児」として注目されます。ウィスコンシン大学を経て、名門ミルズ・カレッジでエゴン・ペトリに師事し、当初は前途有望なプロのピアニストとして歩み出しました。
しかし、名門カーティス音楽院でオペラの巨匠メノッティに出会ったことが、彼の運命を大きく変えます。「君はピアノも上手いが、作曲の才能も素晴らしい」彼の中に眠っていた作曲の才能を見抜いたメノッティに導かれ、作曲家としての才能を開花させたホイビーは、当時の主流だった難解な前衛音楽には背を向け、一貫して「聴き手の心に届く美しさ」を追求しました。
サミュエル・バーバーらと並び「新ロマン主義」の旗手と称された彼は、生涯を通じて作曲家とピアニストの二足のわらじで活躍。自作自演を通じて作品に深い説得力を与え続けました。グッゲンハイム・フェローシップなどの権威ある賞を受賞し、後進の指導にも情熱を注いだホイビーは、2011年3月28日に85歳でその輝かしい生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:ヴァイオリンソナタ(作品5/改訂版)】
この曲は、1950年に書かれた初期の傑作を、約30年後の1979年にホイビー自身が磨き直し、新たな楽章(スケルツォ)を加えて完成させた特別な一曲です。
【聴きどころ】
1)30年の時を越えた「新旧の調和」
20代の瑞々しい感性で書かれた旋律と、50代の熟練した作曲技術が魔法のように溶け合っています。若々しさと落ち着きが同居した、彼の人生そのものを凝縮したような響きを楽しめます。
2)火花を散らす「スケルツォ」の躍動感
1979年に追加された第2楽章は、非常にスピーディーでエネルギッシュです。ヴァイオリンとピアノが、まるで追いかけっこをしているようなスリリングな掛け合いは、クラシックに詳しくなくても理屈抜きにワクワクします。
3)ピアニストが書いたからこその「対等な対話」
ホイビー自身が優れたピアニストだったため、ピアノが単なる「伴奏」に留まりません。ピアノが歌えば、ヴァイオリンが応える。二人の奏者が舞台上で熱く語り合っているような、親密なライブ感を堪能してください。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ホイビー、リー:ヴァイオリンソナタ
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