一日一曲(183)ティシチェンコ:ヴァイオリン協奏曲第2番
本日は、1982年の第7回チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門のもう一人の優勝者、セルゲイ・スタドレルさんの演奏を。
スタドレルさんはレニングラード生まれのロシアのヴァイオリニストです。この年のもう一人の優勝者のムローヴァさんとは、1979年のロン=ティボー国際コンクールのヴァイオリン部門でも競い合い、その時は優勝がムローヴァさんと、後塵を拝しました。お年は3歳ほど違うみたいですが、モスクワ音楽院で同時期に学ばれています。お二人ともレオニード・コーガンさんに師事していらっしゃるようですし、ものすごいライバル関係ですね。お互いの切磋琢磨がいい感じで回っていって種々のコンクールでの輝かしい結果に結びついたのかもしれません。完全なリベンジにはなりませんでしたが、チャイコフスキーコンクールでは良い結果となり、良かったですね。
スタドレルさんは、主にソ連内で活躍されていらしたようで、同時代のソ連の作曲家の曲もよく演奏されていたのだと思います。そんな演奏の一つを本日はどうぞ。
ティシチェンコさんは、個人的には初めて聴いたのですが、録音は結構あるみたいでして、実は結構有名な方なのではないかと思います。
楽器編成が個性的な曲も多いようで、そのため演奏機会が少なく、埋もれてしまっている名曲も多いようです。
「ダンテ交響曲」を作られていらっしゃるそうです。5曲の交響曲からなる長大な曲集でして、ご興味のある方はNMLで聴いてみるのも面白いかもしれません。
本日のヴァイオリン協奏曲第2番は、演奏時間が約1時間という、これまた聴くのに忍耐力のいる作品です。でも聴いていると結構引き込まれていきます。独特の魅力があります。静かに始まり、途中はいろいろあり、最後はまた静かに終わります。人生の縮図みたいな曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/5838434