一日一曲(206)カプースチン:ヴァイオリンソナタ
2022年、新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
今年のトップバッターは、カプースチンさんにいたしました。
本日はヴァイオリンソナタ。カプースチンさんは自信が凄腕のピアニストということもあり、作品の多くはピアノ独奏曲ですが、室内楽でも多くの佳品を作られています。室内楽でもピアノが入る編成の曲が多いです。ピアノパートは独奏曲と変わらず超絶技巧が要求されます。
ヴァイオリンソナタはカプースチンの室内楽作品の中でも人気曲で、作曲者自身がピアノパートを担当した自作自演版をはじめ沢山の演奏が出されています。
本日は、NMLに最近UPされた演奏を挙げておきます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/9150287
さて、私は本曲の5種のCDを持っているのですが、比較してみます。
1)ヴァイオリン:チェルノフ ピアノ:カプースチン
2)ヴァイオリン:バラナス ピアノ:スーチエン 本日のUP、NMLにあり
3)ヴァイオリン:竹中勇人 ピアノ:川上昌裕 NMLにあり
4)ヴァイオリン:西江辰郎 ピアノ:アンダローロ
5)ヴァイオリン:真部裕 ピアノ:田口真理子
<演奏時間>
1 2 3 4 5
第1楽章 6分53秒 7分55秒 6分53秒 6分48秒 7分17秒
第2楽章 4分16秒 4分48秒 4分35秒 4分18秒 5分15秒
第3楽章 5分44秒 6分26秒 5分45秒 5分44秒 6分05秒
合計 16分53秒 19分09秒 17分13秒 16分50秒 18分37秒
自作自演盤が、テンポや解釈の一つに基準になるかと思います。
自作自演盤のテンポに近いのが、竹中&川上さんの演奏と西江&アンダローロさんの演奏です。特に川上さんの演奏は、カプースチンさんからの直伝の部分も多いと思いますので、こちらも一つの基準ともいえる演奏でないでしょうか。
これらと比較しますと真部&田口さんとバラナス&スーチエンさんの演奏は、全体的にやや遅めとなります。ただ、どちらもあまり違和感なく聴けました。テンポが遅くなると、勢いとか迫力とかの面では印象が薄くなるのですが、その分丁寧で「きちんと」弾けている、という場合もあります。今回UPしたバラナスさんの演奏では、曲の細部の構造などがいろいろと見えてきて、新たな発見などもあり、楽しく聴くことが出来ました。
個人的には自作自演盤と竹中&川上が好みですが、これはあくまで個人の趣味の問題。いずれもよい演奏です。