一日一曲(217)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
本日の曲は、バルトークのピアノ協奏曲第3番です。
この曲は、バルトークさんの遺作となった曲です。死に至る病に侵されながら妻のため(妻のディッタさんはピアニストです)に必死に筆を進めていましたが、あとわずか17小節で完成というところで亡くなられてしまいました。
バルトークさんのピアノ協奏曲は3曲あります。第1番と第2番はかなり「とがっている」曲でして、好みもはっきり分かれます。エネルギッシュで格好いい!となるか、ガチャガチャしていてうるさい、となるか。それらと比較して第3番は穏やかなメロディが主体でして、比較的「聴きやすい」曲と言えます。
小説家恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」でも本曲は取り上げられていまして、主要人物の一人、風間塵がファイナルで弾いたのが本曲です。
本曲の出だしの部分、草原のざわめきの中、一羽の鳥が自由に羽ばたいているような風景が浮かびます。風間塵の設定にぴったりの選曲だなあ、と感じながら小説を読みました。
バルトークは激しい・厳しい曲が多いのですが、バルトーク入門局として本曲はピッタリではないかと思います。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/4731845