一日一曲(27) ノルドグレン:小泉八雲の怪談によるバラード「耳なし芳一」

 ペール・ヘンリク・ノルドグレンさんはフィンランドの作曲家ですが、東京藝術大学で作曲を学ばれています。
 「小泉八雲の怪談によるバラード」はノルドグレンさんの代表作の一つで、「怪談」からまず10話、後に
Ⅱとして3話が採りあげられています。

 この「耳なし芳一」はピアニストの館野泉さんの委嘱で書かれたそうです。館野泉さんは他に「雪女」、Ⅱの「振袖火事」「衝立の女」「忠五郎の話」の3曲、合計5曲を委嘱されています。Ⅱについては、館野泉さんが右手が不自由になられた後に委嘱された作品で、「左手のため」の作品となっています。

 十二音技法やトーンクラスターなど、バリバリの現代音楽の書法が駆使されています。怪談の雰囲気にぴったりです。まさに「鬼気迫る」という表現はこの曲のためにあるようなものと言っても過言ではないでしょう。

 「耳なし芳一」、委嘱者の演奏でどうぞ。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/3626022

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