一日一曲(244)木下牧子:歌曲集「秋の瞳」
本日も木下牧子さんの曲をどうぞ。
本日は歌曲です。歌曲集「秋の瞳」は、詩人八木重吉の詩集「秋の瞳」から9編を選び歌曲集としたものです。1995年10月に作曲され、初演時のピアノ伴奏は作曲者自身が担当されました。
取り上げている詩は以下の通りです。
1 おおぞらのこころ
2 植木屋
3 うつくしいもの
4 一群のぶよ
5 秋のかなしみ
6 竜舌蘭
7 黎明
8 不思議をおもう
9 空が凝視ている
1から8までは詩集の出てくる順番に並べていらっしゃるのですが、最後の「空が凝視ている」は詩集の中では「黎明」と「不思議をおもう」の間に配置されています。ここだけ順列を変えていらっしゃるのは恐らく歌曲集の構成などを考えられてのことなのでしょうね。
個人的には3曲目「うつくしいもの」が印象に残りました。詩も掲載しておきます。
うつくしいもの 八木重吉
わたしみづからのなかでもいい
わたしの外の せかいでも いい
どこにか 「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが 敵であつても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るといふことが 分りさへすれば、
ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/6329816