一日一曲(398)スミルノフ:2つのフーガ

 一昨日ご紹介したススリンさんが巻き込まれた、ソビエト連邦作曲家同盟の第6回総会での批判事件で、ススリンさんを含めて7名が「革新的な音楽というよりもむしろ、的外れ、騒音、汚泥」と糾弾されましたが、その「フレンニコフの7人」の方々の作品を順次紹介していこうと思います。

 本日は二人目のドミートリー・スミルノフさんの作品を紹介します。
 1948年生まれのスミルノフさんが批判の餌食になってしまったのが31歳の時。以後ソ連崩壊の91年まで10数年は大変な時期だったのではないかと想像します。1990年に新たに発足したソ連現代音楽協会に発起人として参加しますが、結局1991年にイギリスに移住され、以降ヨーロッパを中心に活動されることとなりました。
 一昨年の4月に、コロナの犠牲者の一人に連ねることとなりました。(71歳でロンドンで没)。

「2つのフーガ」は、無伴奏ヴァイオリンのための曲です。文字通り2つの曲、フーガで書かれた2曲ですが、いずれも遅めのテンポで内省的な音楽です。派手な展開がなく、メロディラインがつかみにくいので、少しとっつきにくいかもしれません。こういった曲は、メロディを聴き取るというよりも、その時々の響きに着目して聴くと、良いかもしれません。ヴァイオリンが紡ぐ様々な、豊かな表情に、新たな発見を見出す方も少なくないのではないでしょうか

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
スミルノフ:2つのフーガ

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