一日一曲(488)一柳慧:独奏チェロのための「プレリュード」

 本日は、つい先日、10月7日(2022年)に亡くなられた、日本を代表する作曲家、一柳慧さんの作品をご紹介します。

 一柳慧さんは兵庫県出身で、生年は1933年。89歳で亡くなられました。1949年、16歳の時に日本音楽コンクール作曲部門第2部(室内楽曲)で第1位と、早熟ぶりを発揮。翌年は同部門で2位、その翌年の1951年は同部門で1位と、3年連続入賞の輝かしい成績を残されました。その後、アメリカのジュリアード音楽院で作曲を学び、1950年代後半にはニューヨークで出会ったアメリカの作曲家ジョン・ケージさんの「不確定性の音楽」に大きく影響を受け、ケージさんの作品の紹介と同時にその影響を受けた作品を次々と発表し、注目を集めました。された。1961年に日本に帰国し、図形楽譜などを用いた斬新な作風で前衛音楽の旗手として大活躍されました。1970年代以降はミニマル・ミュージック(反復音楽)の手法も取り入れ、新たな作風を開拓されました。晩年になっても創作意欲は衰えず、2020年には交響曲第11番、今年2022年は、10月25日に初演予定の最新作「バイオリンと三味線のための二重協奏曲」が完成されています。
 
 本日の曲、独奏チェロのための「プレリュード」は2012年、一柳さん79歳の時の作品です。一柳さんのお父様はチェリストだったとのことで、親近感のある楽器なのでしょう。静かに始まりますが、途中アクロバットな部分も現れます。前衛音楽の旗手の方の作品ということで、身構えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、さほど聴きにくくはない音楽だと思います。いかがでしょうか。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
一柳慧:独奏チェロのための「プレリュード」

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