一日一曲(540)オルセン、ポール・ロウシング:ピアノソナタ第2番
本日は、生誕100年(1922年11月4日生)を迎えらえたデンマークの作曲家兼民族音楽学者、ポール・ロウシング・オルセンさんの曲をご紹介します。
オルセンさんはコペンハーゲンで生まれ、コペンハーゲン音楽院で音楽の学びを開始、その後パリでナディア・ブーランジェさんとオリヴィエ・メシアンさんという巨匠に師事しました。その後コペンハーゲンに戻り、音楽評論家として活動する傍ら作曲されました。初期の作品は、バルトークさん、ストラヴィンスキーさん、ニールセンさんらの影響が色濃く、その後1950年代に12音音楽の影響が加わります。1960年代からは音楽民族学者として仕事が作品にも反映されだし、そこから独自の作風を構築されたようです。民族音楽学者としては、主にペルシャ湾、特にバーレーンの音楽の研究が有名とのことです。
本日の曲は1952年、オルセンさん30歳の若かりし頃の作品です。このころはまだ12音音楽の影響はさほどではなかったのでしょうか、聴きやすい音楽です。3楽章からなる本作品は、第1楽章はきびきびとした動きが特徴的で、幾分バルトーク風とも言えます。第2楽章はゆったりとした音楽ですが、途中劇的な盛り上がりもあり、緊張感に溢れています。第3楽章もめまぐるしい動きの中、刺激的な音の塊がポンポンと飛んできます。全体的に暗く厳しい雰囲気なので、好みは分かれるところかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
オルセン、ポール・ロウシング:ピアノソナタ第2番