一日一曲(554)ヤコビ、ヴォルフガング:ピアノ・ソナチネ
本日は、没後50年(1972年12月15日没)を迎えらえたドイツの作曲家、ヴォルフガング・ヤコビさんの曲をご紹介します。
ヤコビさんは1894年にドイツ北部のリューゲン島の都市ベルゲン・アウフ・リューゲンで生まれました。1914年に兵役に志願し、ロシアとフランスで戦いに参加しますが、1916年にフランス軍の捕虜になり収容所へ。そこで健康を害し、1917年に中立国スイスの療養所のダボスに送られることになります。その地でベルギーの音楽学者ポール・コレールと出会い、彼を通してラヴェル、ドビュッシーやその他のフランスの作曲家の曲を知ることになります。それらの曲に領されたヤコビさんは、自身も作曲化を目指し、1922年にはベルリン大学で音楽を学ぶことになります。折悪しく、ヒトラーが政権を握ることとなったドイツでは辛酸をなめますが、戦後はミュンヘン音楽アカデミーでの教授職を中心に活躍することとなります。
本日の曲、「ピアノ・ソナチネ」は文字通りピアノ曲で、演奏時間約6分の小さな曲です。1968年、ヤコビさん74歳の時の作品です。最晩年の作品ともいえるでしょう。NMLに収録されているヤコビさんの曲の中では一番最近に書かれている曲となっています。
メロディを大切にする作風だったのでしょう。聴きやすい曲です。フランスの香りもしますが、フランスの軽やかさではなく、やや重々しい響きがいかにもドイツを思わせます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヤコビ、ヴォルフガング:ピアノ・ソナチネ