一日一曲(562)メシアン:異国の鳥たち
本日は、昨日と同名の曲をご紹介します。恐らく「異国の鳥たち」と言ったら、本日の曲のことを指す場合が大部分ではないかと思います。
フランスの作曲家であり、20世紀を代表する大作曲家のオリヴィエ・メシアンさんの作品です。
メシアンさんは鳥をテーマとした曲を数多く作曲されています。鳥の鳴き声を採譜し、それを忠実に楽譜に再現し、それをメインテーマとして作曲したり、曲の一部分に挿入したりされていらっしゃいます。
「異国の鳥たち」は、まさに「鳥」テーマとしています。インド、中国、マレー諸島、南アメリカ、北アメリカの合計45種の鳥の歌が使用されています。鳥たちが実際に分布している状況とは関係なく、自由に組み合わせて使われているとのことです。
曲の出だしの部分、本日の演奏では40秒からの部分ですが、「3+3+2」の和音の打撃音に続いて、9回同じ和音が連打されます。この部分は曲の最後の部分(14分11秒)でも再現されて、そちらでは、「3+3+2」の後に同じ和音が31回!も繰り返されます。その終わりが曲の終わりとなります。この9回と31回も何らかの意味があるのではないかと思いますが、
本曲は、作曲者で指揮者のピエール・ブーレーズさんにより1953年のシーズンから始められたコンサートシリーズ(1973年まで続けられました)の中で、ブーレーズさんからの委嘱により作曲されました。この時の版からメシアンさんは後年改訂されています。本日の演奏は、委嘱者と、本曲を献呈されたピアニスト(メシアンさんの2番目の妻であるイヴォンヌ・ロリオさん)によるものですが、もしかしたら本日の演奏は初版のものかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
メシアン:異国の鳥たち(献呈者と委嘱者による演奏)