一日一曲(604)マムロク、ウルズラ:ピアノ・ソナタ
本日は、生誕100年(1923年2月1日生)を迎えらえたドイツ生まれでアメリカで活躍されたの作曲家、ウルズラ・マムロクさんの曲をご紹介します。
マムロクさんはドイツのベルリンでユダヤ人の家庭に生まれました。子供のころから作曲をはじめられたそうです。1938年に迫害から逃れるために家族でドイツ国外に脱出し、最初はエクアドルに移住しました。その後マムロクさんは1940年に一人でニューヨーク市に移住し、マネス音楽学校で本格的に音楽を学び始めます。1945年にはアメリカ市民権を獲得されました。ニューヨーク大学(1967–76)、ニューヨーク市立大学、テンプル大学、キングスバラコミュニティカレッジ(1972–75)、マンハッタン音楽学校など、40年間にわたって多くの大学の役職を歴任しています。国際現代音楽協会の理事も務められています。2006年に生まれ故郷のベルリンに移り、2016年5月4日に93歳の長寿を全うされました。
現代音楽の大家であるシェーンベルクさんから影響を受けているとのことですが、調性を捨てることはなかったようで、そのため現代音楽作曲家ではありますが、比較的聴きやすい音楽を創られていらっしゃいます。
本日の曲、「ピアノ・ソナタ」は1942年、作曲者19歳の時の作品です。まだ学生の頃の作品ですが、こうやって遺されているところを見ると、作曲者自身が単なる習作ではないと思われていたのだと考えます。2楽章で演奏時間は約9分の小さな作品ですが、ややほろ苦さを秘めた夢見るようなメロディが心に響いてくる作品です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マムロク、ウルズラ:ピアノ・ソナタ