一日一曲(650)シャウォフスキ、アントニ:クラリネット・ソナチネ
本日は、没後50年(1973年3月21日没)を迎えらえたポーランドの作曲家、アントニ・シャウォフスキさんの曲をご紹介します。
シャウォフスキさんは1907年にワルシャワで生まれ、当初はヴァイオリンを学びます。が、じきにピアノ、指揮、作曲に興味を持つようになり、方向転換。ワルシャワ音楽院で作曲を中心に学ぶこととなりました。1936年には政府の奨学金を獲得してパリで研鑽を積みます。高名な作曲家ナディア・ブーランジェさんに師事されたとのことです。その後母国に戻り活躍されますが、戦争がシャウォフスキさんの生活に暗い影を落とします。第二次世界大戦中のナチスドイツによるポーランドの占領中は、隠れ家生活を送ることとなり、経済的にもかなりの困難を抱えられたとのことです。大戦後はまたポーランドにて活躍されました。
新古典的な作風も影響しているのでしょうか、今日では演奏される機会が少なくなっているようです。
本日の曲、クラリネット・ソナチネはシャウォフスキさんの作品の中ではかなり知られている曲とのことです。3楽章形式で演奏時間は約8分の小さな作品です。
おどけたような雰囲気の第1楽章、穏やかながら幾分不安の面持ちを抱えた第2楽章、底抜けに明るい第3楽章がうまくまとめられています。クラリネットの音色も本曲の雰囲気にぴったりではないでしょうか。1936年、作曲者29歳の若かりし頃の作品です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
シャウォフスキ、アントニ:クラリネット・ソナチネ