一日一曲(790)マリピエロ、ジャン・フランチェスコ:前奏曲、リズムとグレゴリオ聖歌

 本日は、没後50年(1973年8月1日没)を迎えらえたイタリアの作曲家、ジャン・フランチェスコ・マリピエロ
さんの作品をご紹介します。

 マリピエロさんは、1882年にヴェネツィアで生まれました。祖父はオペラ作曲家だったとのことで、作曲家になる血筋であったのかもしれません。が、「家庭の困難」(貧乏だった、という意味合いでしょうか?)から絶えず音楽教育を妨げられたとのことです。作曲家のマルコ・エンリコ・ボッシさんに師事していたのですが、一度学びが中断されています。中断の時期にはモンテヴェルディやフレスコバルディのような古いイタリアの音楽を手ずから筆写することによって独学を続けられたそうです。後年、モンテヴェルディとヴィヴァルディの校訂者と有名な存在になりますが、その頃のことが大きく影響しているようで、人生何が幸いするかわからないという、よいお手本です。その後、ボッシさんにに再師事し、その後盲目の作曲家アントニオ・スマレーリャの助手となりました。
 1913年頃、ローマの聖チェチーリア音楽アカデミーに提出した4つの作品が入賞したのですが、マリピエロさんは別々の偽名で5つの作品を提出したそうです。それが4つも入選するということは、才能ですね。1973年に91歳で亡くなられましたが、少なくともその2年前までは作曲されていらしたようです。

 本曲は、前奏曲1曲、リズムが2曲、グレゴリオ聖歌が4曲の計7曲で構成されたピアノのための組曲です。
 最初の前奏曲は、ちょっとおどろおどろしい感じがしますが、リズムとグレゴリオ聖歌は、美しいメロディであふれていて、初めて聴く方にも受け入れてもらいやすい曲ではないかと思います。「知られざる名曲」の一つではないでしょうか。個人的にはリズムの2曲目、グレゴリオ聖歌の3曲目が印象に残りました。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マリピエロ、ジャン・フランチェスコ:前奏曲、リズムとグレゴリオ聖歌

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