一日一曲(853)ザネッラ、アミルカーレ・カストーレ:ヴァイオリン・ソナタ嬰ヘ短調

 本日は、生誕150年(1873年9月26日生)を迎えらえたイタリアの作曲家、アミルカーレ・カストーレ・ザネッラさんの曲をご紹介します。

ザネッラさんはイタリア北部のモンティチェッリ・ドンジーナに生まれ、パルマ音楽院に進学します。1891年に卒業し、は南アメリカでオペラ指揮者とピアニストとして働きました。1901年に故郷に戻り、オーケストラを組織し、国中を旅して自作を含めて多くのコンサートを行いました。1905年から1939年までペーザロの「ジョアキーノ・ロッシーニ」音楽院の院長を務められました。1949年1月に75歳で亡くなられました。

 本日は、1917年、ザネッラさん44歳の時の作品です。本曲はチェロソナタと並行して作られました。ヴァイオリンソナタの調性は嬰ヘ短調でチェロソナタはイ長調と、平行調の関係にあるので、2曲は兄弟のような作品ではないかと思います。

 暗い情熱がほとばしる第1楽章、本曲の白眉ともいえる第2楽章、早い動きの第3楽章の一般的なソナタ形式で書かれています。第2楽章は、ピアノが分散和音を奏でる中、ヴァイオリンが息の長いメロディを静かに奏でていく部分が中心となる(1分28秒あたりから)のですが、転調する部分(2分40秒あたり)など背筋がゾクッと来るような響きです。

 パガニーニばりの超絶技巧は使われていませんが、聴くものを魅了してやまない美しさに満ち溢れています。本曲は、埋もれてしまっていますが、もっともっと有名になってもよい曲と思います。「知られざる名曲」と言えるでしょう.

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ザネッラ、アミルカーレ・カストーレ:ヴァイオリン・ソナタ嬰ヘ短調

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