一日一曲(981)アッテルベリ、クット:交響曲第6番ハ長調「ドル交響曲」
本日は、没後50年(1974年2月15日没)を迎えらえたスウェーデンの作曲家、クット・アッテルベリさんの曲をご紹介します。
アッテルベリさんは1887年にイェーテボリで生まれました。お父様は技術者でして、その影響からか1907年に王立工科大学に入学し、電気技術者としての研鑽を積み、父の道をたどることになりました。ただし、平行して1908年にはストックホルムのオーケストラに入団しています。幼少から音楽環境には親しんでおり、10歳の時からは友人に誘われてチェロも学んでいました。1912年には自作の交響曲第1番を発表、初演に成功し、アルヴェーンとならぶスウェーデンの代表的作曲家として認知されました。翌1913年には、ドイツで交響曲第2番を初演。名声は国外にも広まり、王立劇場から『イェフタ』のための劇音楽を委嘱された。なお、同年にはストックホルムの特許庁に就職しています。1923年には、スウェーデン著作権協会を設立。作曲家協会と著作権協会の会長を兼任するなど活動の幅を広げられました。1920年代が作曲家としては最盛期であったようで、1940年代にはそのロマン派的なスタイルが潮流と合わず、次第に過去の人物となっていってしまいました。ただ、音楽活動は継続されたようで、1968年特許局退職後も変わらず音楽活動を続けられたそうです。1974年にストックホルムで逝去しました。
本日の曲は、「交響曲第6番「ドル交響曲」」です。1928年にコロムビア・レコードの主催する「シューベルト没後100周年作曲コンクール」に、本曲で応募し、なんと優勝!1万ドルの賞金を獲得しました。それが本曲の副題となったとのことです。世界的な知名度を得るきっかけになった曲でした。本曲について、作曲者自身は、「古いスタイルの模倣で、人を愚弄するもの」と手厳しく評していますが、後年本曲をピアノ五重奏曲ハ長調 (op.31b) として編曲しているところを見ると、案外愛着のある曲だったのではないか、と推測されます。
本日はご本人の指揮でどうぞ。作曲された年の演奏です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
アッテルベリ、クット:交響曲第6番ハ長調「ドル交響曲」