一日一曲(1118)デュレ、ルイ:フルートソナチネ
本日はフランス六人組のメンバー、ルイ・デュレさんの作品をご紹介します。
デュレさんは1888年にパリで生まれました。メンバーの最年長です。オネゲル・ミヨー・タイユフェールより4歳年上、プーランク・オーリックより11歳年上にあたります。91歳まで長生きされました(タイユフェールさんと同じ歳で亡くなられましたが、タイユフェールさんの方が5か月ほど長生きされました)。他のメンバーと少し年が離れていたことも影響しているのでしょうか、デュレさんは先輩格の大作曲家であるモーリス・ラヴェルを尊敬していたこともあり、他のメンバーとは少々音楽の方向性が違っていました。1920年に6人で合作したピアノ小品集『6人組のアルバム』を最後に、他のメンバーとは次第に疎遠になり、1921年には6人組の活動から離れ、以降は独自の道を歩まれました。
ヴァイオリンソナタをご紹介したかったのですが、デュレさんはヴァイオリンソナタを創られていないようです。代わりに、ヴァイオリンソナタと親和性の高いフルートのソナタ(フルートソナタをヴァイオリンに編曲する例など、よくあります)がありましたので、そちらをご紹介します。
本日ご紹介するのは、「フルートソナチネ」。名前の通り、演奏時間約10分の小曲です。フランス六人組としての活動の最終年にあたる1920年から1925年にかけて作曲されました。ラヴェルを尊敬していたデュレさんらしい、印象主義的な柔らかい表現が魅力的です。デュレさんはフランス六人組から離れてしまったことが、結果的に有名になった他の5人のメンバーの陰に隠れてしまった形になり、そのため作品があまり広く世に知られない形になってしまいました。本曲など、もっと認知度が高くても良い曲と思います。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デュレ、ルイ:フルートソナチネ