一日一曲(1183)ブルックナー、アントン:前奏曲とフーガ ハ短調
本日から五日間にわたって、生誕200年(1824年9月4日生)を迎えらえたオーストリアの作曲家、アントン・ブルックナーさんの曲をご紹介します。
ブルックナーさんはリンツ近郊の村アンスフェルデンで12人兄弟の長男として生まれました。子供時代から音楽の才能を発揮し、、教師でまたオルガニスト、ヴァイオリニストであった父から村の教会のオルガンを用いて初歩の音楽の手解きを受けました。1837年に父親が亡くなり、ブルックナーさんはザンクトフローリアン修道院の寄宿生として入学、聖歌隊に加わり、宗教と音楽の教育を受けました。1840年、学習課程を修了したブルックナーさんは、教会のキャリアを進むか教師になるか勉学を続けるかの岐路に立たされました。家庭の困窮を思い起こしたブルックナーさんは、父と同じく教員になる道を選びました。1841年に教員登用試験に合格し補助教員となりましたが、教員生活はあまり性に合っていなかったようです。転勤を繰り返す中、校長登用試験に合格し、1846年には少年時代を過ごした聖フローリアン修道院の教師、1851年には、27歳で修道院のオルガニストの地位を得ました。1855年、リンツ大聖堂のオルガニストに就任します。実は後任を決める登用試験が行われたのですが、そのときブルックナーさんは試験の観客としてそれを聴いていました。フーガ即興課題で他の受験者たちの冴えない演奏に痺れを切らした審査員の一人が、客席にいたかつてのリンツ教員養成学校での弟子であった「トネルル坊や」(ブルックナーさん)を見つけ、演奏するように焚きつけました。ブルックナーさんは素晴らしい演奏を披露して受験者と審査員たちを圧倒、こうして思いがけずリンツ大聖堂オルガニストという大職の座を勝ち取ることとなりました。
本日の曲はオルガン曲「前奏曲とフーガ ハ短調」です。1847年、23歳の時の作品です。重厚な響きが特徴的な作品です。オルガニストとして始まったブルックナーさんの音楽人生の若き時代の代表的な作品と言えます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます
ブルックナー、アントン:前奏曲とフーガ ハ短調