一日一曲(1200)ホルスト、グスターヴ:セントポール組曲
本日から五日間にわたって、生誕150年(1874年9月21日生)を迎えらえたイギリスの作曲家、グスターヴ・ホルストさんの曲をご紹介します。
ホルストさんはイギリス南部の街グロスタシャーで生まれました。ホルスト一家は3代にわたってプロの音楽家を輩出していました。ホルストさんも音楽家になることを期待され、その道を歩むこととなりました。10代の頃から作曲を試みられていたそうです。当初はピアニストを志望しましたが、右腕の神経炎によりその道は断念、作曲家として身を立てることを志し、王立音楽大学に入学して作曲を学びました。しかし作曲だけでは食べていくことが出来ず、プロとしてトロンボーンを演奏したり、教壇に立つことで生計を立てました。特に教育面では、1905年から没する1934年まで教鞭を執ったセント・ポール女学校で開拓した女性のための音楽教育が特筆されています。また、創始したウィツァン音楽祭シリーズは、1916年から亡くなるまで続けられました。
本日の曲は、1913年、作曲者39歳の時の作品である弦楽合奏曲「セントポール組曲」です。元々の題名は「組曲ハ調」だったそうです。セントポール女学院に奉職して8年目を迎えた1912年、ホルストさんには防音装置を備えた専用の部屋が与えられました。そのことに対して感謝の意を表して作曲されたのが本曲です。後年、本曲は、より多くの生徒が演奏できるように、と自ら木管楽器の追加された管弦楽版に編曲しています。それだけ愛着のある曲だったということができそうです。
4つの曲から構成されていて、演奏時間は12分ほどの短い曲です。第4曲では、よく聴くとイギリス民謡「グリーンスリーブス」のメロディが聴こえてきます(主旋律の陰に隠れる形で密やかに奏でられています)。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ホルスト、グスターヴ:セントポール組曲