一日一曲(1219)カーティス=スミス、カーティス・O・B:12の練習曲集
本日は、没後10年(2014年10月10日没)を迎えらえたアメリカの作曲家、カーティス・O・B・カーティス=スミスさんの曲をご紹介します。
カーティス・スミスさんは1941年にワシントン州ワラワラで生まれました。ホイットマン大学、ノースウェスタン大学、イリノイ大学で音楽を学び、ピアニスト・作曲家・音楽教育者として活躍されました。1968年から2011年に退職するまで、ウェスタンミシガン大学音楽学部でピアノと作曲を教えました。1979年には最高の学術的栄誉であるWMUのDistinguished Faculty Scholar Awardを受賞されていらっしゃいます。
本日の曲はピアノ曲「12の練習曲集」です。各曲に調性の指定はないようです。各曲のタイトルの日本語訳を以下に記します。
第1曲:遊び心のある(カノンのコード)
第2曲:歌う(パッサカリア)
第3曲:グラーヴェ
第4曲:とらえどころのない、謎めいた
第5曲:自由で気楽な
第6曲:陰鬱で不吉な
第7曲:脆くて生意気な(イシドール・フィリップへのオマージュ)
第8曲:皮肉な
第9曲:明るく流れる
第10曲:深く、静かな
第11曲:ひそかに、肉体のない(ゴースト・エチュード)
第12曲:広々とした(パッサカリア)
第7曲のイシドール・フィリップ(1863ー1958)は、フランスのピアニストですが、1940年からはアメリカに定住された方です。カーティス=スミスさんとはおじいさんと孫のような関係ですので、実際にお会いしていたかどうか?オマージュを捧げるきっかけはどんなことだったのか、興味深いところです。
個人的には第9曲、第5曲、第4曲が印象に残りました。第11曲の「ゴースト・エチュード」も、一風変わっていてなかなか興味深い曲です。
「練習曲」というジャンルは沢山の曲がありますので、その中で評価されて残っていくのは大変なことだと思います。本曲集はもっと広く知られてもよい曲と感じました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カーティス=スミス、カーティス・O・B:12の練習曲集