一日一曲(1230)アイヴズ、チャールズ:交響曲第3番「キャンプの集い」

 本日は、生誕150年(1874年10月20日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、チャールズ・アイヴズさん特集の2回目です。

 アイヴズさんの生前には、その作品がほとんど無視され、その多くが長年にわたって演奏されずじまいでした。初期のころは賛美歌などの引用が主体の分かりやすい?音楽だったのですが、次第に不協和音を実験などにのめりこみ、先鋭化していった作風が、当時の音楽界の権威に好ましくないと受け取られたのが原因でした。リズムも複雑になり、演奏は困難を極め、そのため、アイヴズさんの曲を演奏しようと挑戦する人が少ない状況となっていました。ところが、アイヴズさんは自分の作品の需要には無頓着だったようです。

 本日の曲は「交響曲第3番」です。アイヴズさんは番号が付いた交響曲を4曲書かれています。そのほか、「ニューイングランドの祝祭日(別名「祭日交響曲」)という作品も残されていらっしゃいます。交響曲第3番は高名な指揮者・作曲家のグスタフ・マーラーが注目した曲として広く知られています。1909年から1911年にかけてニューヨーク・フィルハーモニックの指揮者を務めていたマーラーは、この曲に注目し、ヨーロッパで演奏するつもりで楽譜を持ち帰ったのですが、1911年にマーラーがこの世を去ったためにヨーロッパ初演は幻となってしまいました。その後長いこと本局も忘れられた存在となってしまっていたのですが、1946年4月5日に、ニューヨークのカーネギー室内楽ホールにおいて、ルー・ハリソン指揮、ニューヨーク・シンフォニエッタによって初演され、好評を博しました。本曲はその翌年にピューリッツァー賞を受賞しました。アイヴズの作品が公に認められたのは、これが初めてのことでした。けれどもアイヴズさんは、「賞は坊やたちにくれてやるものだ。俺はもう大人だ」と言って賞金を分け与えてしまったそうです(半分をハリソンに渡したとのこと)。
 曲は「なつかしき仲間の集い」「子供たちの日」「コンムニオン」と表題が付けられた3つの楽章から構成されていて、賛美歌から引用されたメロディがふんだんに使われています。原曲は教会用のオルガン作品であったとのことです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
アイヴズ、チャールズ:交響曲第3番「キャンプの集い」

アイヴズ、チャールズ:交響曲第3番「キャンプの集い」(CD)

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