一日一曲(1236)マルシック、マルタン・ピエール:「夏の詩作品24」より第3曲「Attente」
本日は、没後100年(1924年10月21日没)を迎えらえたベルギーのヴァイオリニスト兼作曲家、マルタン・ピエール・マルシックさんの曲をご紹介します。
マルシックさんはベルギーで生まれ、7歳でリエージュ王立音楽院に入学し、ヴァイオリンを学びました。1864年にゴールド・メダルを受賞して卒業し、その後さらにパリ音楽院で研鑽を重ねました。1871年には、新たに設立されたパリの国民音楽協会に加わるとともに弦楽四重奏団を創設し、活躍の幅を広げました。1875年から1895年にかけては、ヨーロッパやアメリカへの演奏旅行も行っています。1892年から1900年の間、パリ音楽院で教鞭を執り、多くの弟子を育てました。ところが、1900年に、1872年に結婚した妻のベルテ・マルシックや門弟を置き去りにし、既婚女性と国外へ駆け落ちしてしまいます。その後、女性は夫の元に戻り、マルシックさんも1903年にパリへ帰ったものの、このスキャンダルによって損なわれたキャリアは回復することなく、貧困の中パリで生涯を閉じることとなったそうです。
本日の曲は「夏の詩作品24」より第3曲「Attente」です。本曲はお弟子さんのヴァイオリニスト、ジョルジュ・エネスクに捧げられています。ロマンティックなメロディが心に残る佳品です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マルシック、マルタン・ピエール:「夏の詩」より第3曲「Attente」