一日一曲(1270)プッチーニ、ジャコモ:歌劇「ラ・ボエーム」第1幕「私の名はミミ」
本日は、没後100年(1924年11月29日没)を迎えらえたイタリアの作曲家、ジャコモ・プッチーニさん特集の4回目です。
オペラの大成功の裏側では、これまた激動の時代を過ごされています。1902年の2月下旬、珍しがりやの性格から自動車を手に入れさっそく乗り回していたところ、交通事故を起こし、脚を骨折してしまいました。1906年には台本作家のジャコーザが他界しました。傑作オペラ3曲に関わったジャコーザは温厚な性格で知られており、気性の荒いもう一人の台本作家イッリカと、同じく激しい気性で台本作家を酷使する傾向にあったプッチーニさんとの間にしばしば発生する諍いの潤滑油の役割も果たしていました。ジャコーザの死後、プッチーニさんとイッリカは共同では何ら新作を生み出すことはできませんでした。1909年には、プッチーニの妻エルヴィーラが、誤解から、プッチーニが女中と浮気していると責め立て、疑われた女中が服毒自殺、エルヴィーラが起訴されるというスキャンダル(ドーリア・マンフレーディ事件)に発展してしまいました。1912年には、恩人であったリコルディ社社主ジューリオが世を去られました。
本日の曲は、プッチーニの傑作オペラの中から、「ラ・ボエーム」、その中から『第1幕「私の名はミミ」』をどうぞ。恋に落ちた乙女心が美しく歌われています。歌詞は、出会ったばかりなので「私の名はミミと呼ばれています。・・・」と自己紹介をしている内容です。これからの悲しい結末を微塵とも感じさせない、愛に満ち溢れています。こんな美しい瞬間があるからこそ、結末のやるせなさが身に沁みるのかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
歌劇「ラ・ボエーム」第1幕「私の名はミミ」