一日一曲(1280)シャルヴェンカ、フィリップ:ヴァイオリンソナタロ短調
本日は、昨日ご紹介したクサヴァー・シャルヴェンカさんのお兄さんにあたる作曲家、フィリップ・シャルヴェンカさんの曲をご紹介します。
フィリップ・シャルヴェンカさんは1847年、クサヴァーより三年早くポーゼン大公国のサモトゥウィ(ザムテル)で生まれました。1865年からベルリンの新しい音楽アカデミーで音楽理論を学び、1868年からは母校で音楽理論と作曲の教師になりました。弟と協力してシャルヴェンカ音楽院を設立し、ベルリン校の責任者として活躍、1893年にはカール・クリンドワースのピアノ学校と合併してクリンドワース・シャーヴェンカ音楽院を設立、ベルリンの音楽界で傑出した機関を創り上げました。音楽院のディレクターとして、1917年に亡くなるまで活動を続けられました。家族関係としては、1880年にヴァイオリンの名手マリアンヌ・シャルヴェンカ(Marianne Scharwenka、1918年没)と結婚されています。また、1937年には、息子のウォルター・シャルヴェンカが音楽院のディレクターに就任しています。
本日の曲はヴァイオリンソナタロ短調です。第1番のヴァイオリンソナタで、フィリップ・シャルヴェンカさんは後にもう一曲ヴァイオリンソナタを書いています。本曲は1900年、作曲者53歳の時の作品です。妻のマリアンヌさんのために書かれた曲なのでしょうか?そのあたりは情報調べきれませんでした。ただ、マリアンヌさんが演奏会で本曲を弾いたという記録はあるようです。ロマンティックな曲です。個人的には伸びやかなメロディが印象的な第三楽章に心打たれました。暗い冬のような第1楽章が過ぎで春の温かさと希望の芽吹きを感じさせるような楽章です。曲の最後は派手に終わる曲が多いですが、本曲は静かに幕を閉じます。終わり方も好印象でした。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
シャルヴェンカ、フィリップ:ヴァイオリンソナタロ短調