一日一曲(1283)ライマン、アリベルト:ピアノソナタ第1番

 本日は、今年(2024年3月13日)亡くなられたドイツの作曲家兼ピアニスト、アリベルト・ライマンさんの曲をご紹介します。

 ライはマンさんは1936年にベルリンで生まれ、ベルリン芸術大学で作曲、対位法、ピアノを学んだ後、ベルリン・ドイツ・オペラのコレペティトール(歌劇場などでオペラ歌手やバレエダンサーにピアノを弾きがら音楽稽古をつけるピアニストのこと)の職に就きました。1960年代後半頃から、ピアニストとして頭角を露わし、20世紀を代表するバリトン歌手フィッシャー=ディースカウの伴奏者も務められました。1970年代初頭にベルリン芸術アカデミーのメンバーになり、1983年から1998年にかけて母校で現代歌曲の教授を務められました。2024年3月13日にベルリンで88歳で亡くなられました。
 作曲家としては、シェイクスピアの『リア王』(Lear, 1978年)、フランツ・カフカの『城』(1991年)といった文学作品のオペラ作品が有名です。その他、室内楽曲、管弦楽曲、歌曲等声楽作品など幅広いジャンルで作品を遺されています。ドイツ連邦共和国大功労十字星章、ベルリン功労勲章といった勲章も授与されていらっしゃます。

 本日の曲は「ピアノソナタ第1番」です。1958年、作曲者21歳の時の作品です。録音のCDの解説には、「現在まで発表されたピアノ作品のすべてを収録しています(1958年作曲の「ソナタ第1番」は初録音)。」とありました。この解説が正しければ、ピアノソナタは1曲しか書かれなかったということになります。当初は第2番以降も作曲する予定だったのが、予定が変わったのか、予定を忘れてしまったのか、ということになるかと思います。第2番以降も聴いてみたかったですが…。本曲は若かりし頃の「とんがった」表現が特徴的です。バルトークやプロコフィエフなどの影響もあるのでしょうか、同音連打が効果的に使われています。特に終楽章プレストは迫力満点!これが初録音とは、今まで埋もれていたのが勿体ない。ピアニストとしても大成された作曲者は、自作自演の録音をなぜ残さなかったのでしょうか?

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ライマン、アリベルト:ピアノソナタ第1番

ライマン、アリベルト:ピアノソナタ第1番(MP3ダウンロード)

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