一日一曲(1317)サンマルティーニ、ジュゼッペ:オーボエソナタト長調
本日は、昨日ご紹介した作曲家の兄、ジュゼッペ・サンマルティーニさんの曲をご紹介します。
ジュゼッペ・サンマルティーニさんは1695年にミラノで生まれました。弟のジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニさんが生まれる5年前となります。サンマルティーニ家は男4人女4人の8人兄弟で、ジュゼッペさんは次男だったそうです。弟のジョヴァンニさんがミラノで活躍したのに対し、ジュゼッペは1728年にロンドンに渡り、そこでオーボエの名手として有名になられたそうです。1736年に王太子フレデリック・ルイスに仕え、没するまでその夫人オーガスタ・オブ・サクス=ゴータおよび子供たちの音楽教師をつとめられました。昨日も書きましたが、頭文字が共通するために、弟としばしば混同されていらっしゃるとのことです。作曲家としては、フルートとヴァイオリンのためのソナタ、2つのフルートと通奏低音のためのソナタ、12のヴァイオリン・ソナタ(王太子に献呈)、6つのヴァイオリン協奏曲、合奏協奏曲集、ハープシコード協奏曲集、ドイツ・フルート(フラウト・トラヴェルソ)独奏のための6つの小品、2つのドイツ・フルートと2つのヴァイオリンのための6つのソナタ、などなど、多作家だったとのことです。1750年に55歳でロンドンで亡くなられました。
本日の曲はオーボエソナタト長調です。昨日の弟さんの曲と合わせてみました。本曲は勿論自分のコンサートで演奏することを念頭に書かれたものでしょう。離れた土地で活躍していた弟さんとはデュオの機会はあったのでしょうか、興味深いところです。曲は、約1分間のチェンバロの前奏で開始します。分散和音を駆使した前奏部分も美しいですが、それを受けてオーボエが奏でる主題も格調高く朗々と響き渡ります。続く第2楽章のアレグロはオーボエの腕の見せ所です。第3楽章のアダージョは第1楽章同様チェンバロの分散和音の前奏から開始されます。こちらは幾分もの悲し気な雰囲気の曲。最後の第4楽章は朗らかなオーボエの響きに開放感溢れます。昨日と同じ独奏楽器と同じ調性で書かれたソナタですが、いかがでしたか?どちらも素敵な曲ですが、どちらが好まれましたか?個人的には私はお兄さんの曲に一票を投じます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
サンマルティーニ、ジュゼッペ:オーボエソナタト長調