一日一曲(1412)ベネット、ウィリアム・スタンデール:ピアノ協奏曲第4番ヘ短調

 本日は、没後150年(1875年2月1日没)を迎えらえたイギリスの作曲家兼ピアニスト、ウィリアム・スタンデール・ベネットさんの曲をご紹介します。

 ベネットさんはイギリス中部の街シェフィールドで生まれました。お父様はオルガニストということで、早くから音楽の英才教育を受けました。10歳でロンドン王立音楽アカデミー(RAM)に入学し、10年間そこで過ごしました。入学時には、その才能に試験官が感銘を受け、授業料及び食費が免除になったそうです。20歳になる頃にはコンサートピアニストとしての名声を得るようになったほか、作曲でも高い評価を受けるようになりました。ベネットの演奏や曲にドイツの作曲家フェリックス・メンデルスゾーンが非常に感銘を受け、「弟子になっても良いか」とたずねたベネットさんに対して「いや、違う。君は僕の友達になるために来てくれ」と返答したという逸話が残っています。メンデルスゾーンの招待を受けてベネットさんはライプツィヒに移り、活躍されました。その後ロンドンに戻ったベネットさんは、1837年から母校で教え始め、1858年まで務められました。ただし、その後も母校とは経営や教育などいろいろと関係を持っていたようで、最終的に1866年には校長に就任し、閉鎖の瀬戸際に立たされていた母校を救うことに尽力されました。功績が認めっれ、1871年にはナイトに叙せられています。1875年に58歳の若さで亡くなられました、

 本日の曲は、ピアノ協奏曲第4番ヘ短調作品19です。1838年、ライプツィヒ滞在中に完成された作品です。初演時はベネットさん自身がピアノ、親友のメンデルスゾーンが指揮を担当しました。第2楽章はメンデルスゾーンの助言を受け入れる形で、現在の「舟歌」に変更されたとのことです。差し替え前はどのような曲だったかは定かではありませんが、興味深いところです。個人的には重厚な第1楽章の印象が強く、第2楽章は「箸休め」といった感じです。全体的に、時代を感じさせるロマンティックな曲です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ベネット、ウィリアム・スタンデール:ピアノ協奏曲第4番ヘ短調

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