一日一曲(1413)カプレ、アンドレ:エピファニー
本日は、没後100年(1925年4月22日没)を迎えらえたフランスの作曲家、アンドレ・カプレさんの曲をご紹介します。
カプレさんは1878年にフランス北部の街ル・アーヴルで生まれました。元々はヴァイオリニストであったそうですが、作曲に転じ、1901年には高名なラヴェルを差し置きローマ賞を受賞しました(ラヴェルはこのとき第二等次席でした)。その後、ドビュッシーとの信頼関係を築き、ドビュッシーの曲を編曲したりオーケストレーションを補筆したことで、名前が残っています。1910年から1914年までボストン・オペラ・ハウスの指揮者も務められました。個性あふれる曲を遺されていらっしゃるのですが、作曲方面ではあまり名前を聴くことがありません。46歳の若さで亡くなられたことなども影響しているのかもしれません。第一次世界大戦従軍中に毒ガスを吸って神経を冒され、その影響による胸膜炎で亡くなられたとのことです。
本日の曲はチェロと管弦楽のための作品、「エピファニー」です。1923年、作曲者45歳の時の作品です。副題に「エチオピアの伝説に基づいた」とありますので、その伝説がどういったものなのか、興味深いところです。曲の出だしが神秘的で印象に残りました。全体的にフランスの作曲家らしい響きに満ちています。この時期、カプレさんは沢山の曲を創られていらっしゃるようで、志半ばでこの世を去ることになってしまったのはいかに無念か、と同情の念を禁じえません。もっと長生きされていれば今日の評価も違ってきていたかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カプレ、アンドレ:エピファニー