一日一曲(1433)パルサダニアン、ボリス:弦楽四重奏曲
本日は、生誕100年(1925年5月14日生)を迎えらえたアルメニアおよびエストニアの作曲家兼ヴァイオリニスト、ボリス・パルサダニアンさんの曲をご紹介します。
パルサダニアンさんはロシアの北コーカサスのスタヴロポリ地方にある温泉都市キスロヴォツクで生まれました。トルクメニスタンの首都アシガバートで音楽の勉強を始め、その後モスクワに移り研鑽を重ねました。第二次世界大戦中は兵役のため、学業の中断を余儀なくされました。軍隊では勲章を授与されています。戦後、パルサダニアンさんはグネーシン研究所に入学し、作曲とヴァイオリンを学びを再開しました。1950年に卒業し、作曲家及びヴァイオリニストとしての活動が開始されました。1953年にヴィルヴェ・キプルと結婚し、エストニアSSRに移り、タリン音楽院に入学し、更に研鑽を重ねることとなりました、この期間中、エストニアSSR国立交響楽団のヴァイオリンセクションで演奏し、エストニアSSR作曲家組合に加入しています。タリン音楽院は1959年に卒業、モスクワに戻り、モスクワ国立交響楽団のコンサートマスターに就任、また、作曲家としての地位を確立し始めました。1968年から1970年まで、CTソ連の音楽プログラムで働かれています。1970年に、エストニアに永住することとなり、エストニアSSRステートフィルハーモニー管弦楽団のディレクターを務めました。1967年にはエストニアSSRの名誉ある芸術家、1988年にはエストニアSSRの人民芸術家をそれぞれ受賞されました。1997年5月14日、誕生日に72歳の生涯を閉じられました。
本日の曲は弦楽四重奏曲です。1974年、作曲者49歳の時の作品です。第1楽章、厳粛な雰囲気のメロディで始まります。途中楽しげな雰囲気のメロディやヴァイオリンが奏でるゆったりとしたメロディなども出てきますが、この厳粛な雰囲気は再現され、この楽章の主軸として展開していきます。第2楽章もゆったりとした中で、厳しめの音楽が展開されます。途中、畳みかけるように音が重なっていく部分など、迫力があります。途切れなく演奏される第3楽章(5分34秒~)は急速に動き回る曲。途中テンポを落とした、コラール風の部分も展開されますが、再度急速なメロディが戻り、急転直下、曲は閉じられます。やや暗い曲ですが、個人的には楽しめました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
パルサダニアン、ボリス:弦楽四重奏曲