一日一曲(1483)ドランゴーシュ、エルネスト:6つの協奏的練習曲

 本日は、没後100年(1925年6月26日没)を迎えらえたアルゼンチンのピアニスト兼作曲家、エルネスト・ドランゴーシュさんの曲をご紹介します。

 ドランゴーシュさんは1882年1月にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで生まれました。父親はピアノなどを販売する音楽店経営者でした。幼い時からピアノに親しみ、神童として9歳の時にブエノスアイレスのプロのオーケストラと共演しています。12歳でブエノスアイレス音楽院に入学し、研鑽を重ねました。15歳の1897年7月にドイツに留学します。ベルリン王立音楽院の規定の最低年齢より1歳年少なのを特別に認められ入学しました。1900年に一時アルゼンチンに帰国しましたが、「ヨーロッパ賞」の受賞により更に4年間の奨学金を得、再びベルリンに留学。その後ピアニストとしてドイツ中を演奏旅行し、また作曲家としても、ピアノ曲がドイツの出版社から出版されるなど、活躍されました。1905年にアルゼンチンに帰国、ブエノスアイレス音楽院で教鞭をとりつつ、ピアニストとして活躍されました。クラシック音楽の啓蒙のためにアルゼンチン各地を演奏旅行して回り、更に「シネマ・コンサート」と称して、無声映画のバックでベートーベンの交響曲を演奏する催しを行うなど、多方面で活躍されました。1905年に留学から帰国してからは欧米を再び訪れることはなかったとのことです。1925年6月に、ヨーロッパでのリサイタル、指揮、レコーディングの一連の招聘をやっと受けアルゼンチンを出発しようと準備していた矢先に、風邪をこじらせ肺炎になり、1925年6月26日にブエノスアイレスで43歳の若さで亡くなられました。

 本日の曲はピアノ曲「6つの協奏的練習曲」です。作品14の本作品は、1913年、作曲者31歳の時に完成しました。1908年頃から作曲を始められていたようです。
「ブルレスケ」「主題と変奏」「蝶々」「無言歌」「無窮動」「ワルツのテンポで」の6曲で構成されています。様々なピアノ技法の粋を尽くした組曲で、ドランゴーシュさんの作曲家、そしてピアニストとしての実力の集大成を示している、と評されています。個人的には第1曲「ブルレスケ」が面白く聴けました。

ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ドランゴーシュ、エルネスト:6つの協奏的練習曲

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