一日一曲(1495)芥川也寸志:子供のための交響曲「双子の星」
本日は、生誕100年(1925年7月12日生)を迎えらえた日本の作曲家、芥川也寸志さん特集の2回目です。
1953年に同じく若手作曲家である黛敏郎、團伊玖磨と共に「三人の会」を結成、活躍の幅を広げられました。1954年、当時まだ日本と国交がなかったソ連に、自作を携えて単身で密入国を敢行しました。ソ連政府から歓迎を受け、ショスタコーヴィチやハチャトゥリアン、カバレフスキーの知遇を得て、ついには自分の作品の演奏、出版にまでこぎつけた。結果的に、当時のソ連で楽譜が公に出版された唯一の日本人作曲家となりました。半年後に中国から香港(当時イギリス領)経由で無事帰国。以後、オーケストラ作品を中心に次々と作品を発表し、戦後の日本音楽界をリードするそんざいとなりました。1956年、アマチュア演奏家たちの情熱に打たれて新交響楽団を結成、以後、無給の指揮者としてこのアマチュアオーケストラの育成にあたられました。1976年、当時としては画期的な、1940年代の日本人作曲家の作品のみによるコンサート「日本の交響作品展」を2晩にわたり行い、その功績を讃えられて翌年には鳥居音楽賞(後のサントリー音楽賞)を受賞しました。
本日の曲は、『子供のための交響曲「双子の星」』です。題名には「交響曲」とありますが、実際には劇音楽にちかいもので、ちょっと交響曲というには無理があります。が、音楽性には題名は全く関係ありません。芥川さんの作品の中では本曲は演奏される機会がかなり少ない曲ですが、そうであったのが不思議なくらいの魅力に満ちた作品です。曲中で中心となるのは、詩人宮沢賢治が作詞及び作曲した「星めぐりの歌」と童話「双子の星」です。この二つの作品を良さを生かしつつ、独自の音楽を芥川さんは作曲されました。親しみやすい曲ですので、ちょっと長いかもしれませんが、是非全編等してご鑑賞ください。
ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
芥川也寸志:子供のための交響曲「双子の星」