一日一曲(1622)アンドリーセン、ヘンドリク:凸面鏡
本日は、昨日及び一昨日の作曲家の父である作曲家、ヘンドリク・アンドリーセンさんの曲をご紹介します。
ヘンドリク・アンドリーセンさんは1892年9月17日にオランダ西部の街ハーレムで生まれました。両親はオルガニストと画家という、芸術一家の生まれでした。お兄さんのヴィレムさんも作曲家となっています。アムステルダム音楽院で作曲とオルガンを学び、卒業後はユトレヒトの聖カタリナ大聖堂のオルガニストとして活躍されました。即興演奏の能力が高く、評判を呼びました。1926年から1954年までアムステルダム音楽院で作曲と音楽理論を講義し、1930年から1949年までユトレヒトのカトリック教会音楽研究所で教鞭をとられました。1937年から1949年まではユトレヒト音楽院の院長としても活躍されています。第二次世界大戦中、ヘンドリクさんは「文化の家」(Kultuurkamer)への参加を拒否したことにより、ナチス占領者によって公的行事を禁じられました。1942年7月13日から12月18日まで、カンプ・シント・ミシェルスゲストルでドイツ占領軍によって人質に取られるという経験をされています。1949年にハーグの王立音楽院のディレクターに任命され、1957年までその職を務めました。また、1954年から1962年にかけて、ナイメーヘン・カトリック大学の音楽学の特別教授に任命されました。 1981年4月12日、生まれ故郷のハーレムで88歳で亡くなられました。
本日の曲はピアノ曲「凸面鏡」です。本曲は週刊誌からの委嘱作品で、1954年6月12日に出版されました。有名な作家ルイス・キャロルの、これまた有名な作品『鏡の国のアリス』に触発されて本曲は誕生しました。十二音旋律(Fシャープ、F、C、B、G、Bフラット、E、Aフラット、D、Cシャープ、A、Dシャープ)を基本として、その鏡像と逆行も用い、アリスが凸凸状の鏡を通り抜け、(逆さまの)鏡の助けを借りてジャバウォック詩の逆さまの印刷を読むというイメージが表現されています。このあたりのことは、言われてみないとわからないですね。また、楽譜を見ると、更に理解を深めることができるかもしれません。アリスの魔法的な世界がうまく表現されていると感じます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
アンドリーセン、ヘンドリク:凸面鏡
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