一日一曲(1631)ホールクロウ、ヨハネス:その音色

 本日は、没後100年(1925年11月26日没)を迎えらえたノルウェーの作曲家兼オルガニスト、ヨハネス・ホールクロウさんの曲をご紹介します。

 ホールクロウさんは1847年5月13日、ノルウェー南西部の街フォルデで生まれました。ドランメンやクリスチャニア(現在のオスロ)で音楽を学び、ライプツィヒ音楽院に進学、1873年から1875年まで研鑽を重ねた後、ベルリン音楽アカデミーに留学しました。卒業後、1876年にドランメンのタンゲン教会のオルガニストに就任し、1877年からは指揮にも活動の幅を広げられました。1880年にはクリスチャニアでオルガニスト兼指揮者となり、最初はサジェネ教会で、1883年から1920年まではオールド・エイカー教会で活動されました。1889年から1896年にかけては、クリスチャニア音楽院で和声と作曲の講師を務めるなど、後進の指導にも熱心に当たられました。1911年に聖オラフ勲章の一級騎士を授与されています。1925年11月26日、オスロで77歳で亡くなられました。オルガンの名手として、特に即興演奏で評判があったそうです。

 本日の曲は声楽曲「その音色」です。2分少々の短い曲ですが、劇的な盛り上がりもあり、聴きごたえのある曲に仕上がっています。
 ライナーノートに歌詞が書かれていたので、訳文を掲載いたします。

  その音色 (詩:ビョルンストイェルネ・ビョルンソン)

   森の中を少年は一日中歩き続けた。
   一日中歩き続けた。
   そこで彼は不思議な歌を聞いた。
   不思議な歌だった。
   少年は柳で切った笛を吹いて、
   柳で切った笛を吹いて、
   その音色を試した。
   その音色はささやき、
   何度も何度も繰り返した。
   しかし、少年が聞き取れる限りでは、それは自分の道を進んでいった。
   その道を進んでいった。
   眠っていると、よくその音が聞こえてきた。

   その音が聞こえてきた。
   額を柴で撫でた。
   柴で撫でた。
   その音に気づいては、突然目が覚めた。
   そしてまた突然目が覚めた。
   しかしその音色は薄暗い夜に、
   薄暗い夜に、しっかりと残っていた。
   主なる神よ、私をそこへ連れて行ってください。
   ああ、私をそこへ連れて行ってください。
   その音色は私の心をすっかり奪ってしまったのです。
   私の心をすっかり奪ってしまったのです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ホールクロウ、ヨハネス:Tonen

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