一日一曲(1658)ティトフ、ニコライ・アレクセイエヴィチ:鳥

 本日は、没後150年(1875年12月22日没)を迎えらえたロシアの作曲家、ニコライ・アレクセイエヴィチ・ティトフさんの曲をご紹介します。

 ティトフさんは1800年5月10日にロシアの大都市サンクトペテルブルクで生まれました。19世紀前半のロシアにおいて、サロン音楽とロマンス歌曲の発展に大きな役割を果たした人物として知られます。貴族階級に属しながら作曲家、ピアニスト、アマチュア指揮者として多面的に活躍しました。ティトフさんは職業音楽家ではなく、家庭音楽や社交界で演奏されるサロン音楽を中心に作曲を行い、特にロシア語ロマンスの黎明期において重要な作曲家の一人と評価されています。ティトフさんの作品は、旋律の親しみやすさ、感傷的でしっとりとした抒情性、そしてロシア民謡風の自然な息づかいを特徴とします。特に声楽作品が多く、当時のサンクトペテルブルクやモスクワの上流階級の間で広く演奏されました。ティトフさんは同時代の作曲家アレクサンドル・アリャービエフやアレクサンドル・ヴァルラモフと並んで、ロシア・ロマンスの形式を確立した一人として位置づけられています。また、彼は礼拝音楽や器楽小品も手掛け、ピアノのための舞曲的な作品など、家庭音楽文化の中で親しまれる曲も多く残しました。ティトフさん自身は大規模な作品よりも、個人的な感情を繊細に描く小品を得意としており、その自然で柔らかな音楽語法は後の作曲家たちにも影響を与えました。19世紀ロシアの音楽文化を理解する上で、ティトフさんは“ロマンスの普及者”として欠かせない存在であり、彼の作品は現在でもロシアで一定の人気を保ち、時折録音や演奏会で取り上げられています。

 本日の曲は歌曲「鳥」です。ティトフさんお得意のサロン音楽です。可愛らしい曲ですね。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ティトフ、ニコライ・アレクセイエヴィチ:鳥

ティトフ、ニコライ・アレクセイエヴィチ:鳥(CD)

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