一日一曲(1663)ディール、パウラ・イェスパーソン:ウェディング・デー

 本日は、生誕100年(1925年9月6日生)迎えられ、また、本年(2025年)3月11日に亡くなられたデンマーク系の作曲家、パウラ・イェスパーソン・ディールさんの曲をご紹介します。

 ディールさんは1925年9月6日に生まれました。幼少期に中国から米国ニュージャージーへ移住されたそうです。ブラウン大学で学び、その後アメリカン大学で学び直し、さらにテンプル大学で作曲の修士号を取得しました。1978年に独自の作曲体系「Separation(セパレーション)」を確立し、これを基にオーケストラ、室内楽、声楽、オルガン曲など幅広い作品を発表しました。晩年も創作・演奏活動や録音に旺盛にかかわられたそうです。音楽は休止(間)と短い動機の反復を構造原理に用いることが特徴で、現代的ながら明確な周期性と形式感を持つ作風です。左記に記しました通り、本年(2025年)3月11日に99歳で亡くなられました。

 本日の曲は歌曲「ウェディング・デー」です。1993年、作曲者68歳の時の作品です。題名から華やかな明るい音楽を予想していたのですが、見事に裏切られました。
 「ウェディング・デー」は、過去と現在が交錯する精神的ドラマを、「Separation Music」の技法で繊細に描いた作品です。「結婚式」という題名にもかかわらず感情は非常に内向的で、語り手は祝福する者でありながら、同時に新婦の苦悩にも寄り添う複雑な立場にいます。音楽は、語りの主体が現在に立ちつつも、新婦の過去や内面を“間接的(Indirect)”に呼び起こす、きわめて心理的な構造になっています。

 なお、「Separation Music」とは、作曲者が1990年代以降に提唱した、『「時間」「声部」「間隔(インターバル)の分離と再接続」』を軸とする独自の作曲原理で、中心にあるのは、“Direct style(直接型)” と “Indirect style(間接型)” の2種類の書法を往還させることで、『語り手の心理・時制・記憶の層が「音楽的に分離される」』ような効果を作り出すこと、だそうです。作曲者はそれを “Separation”(分離)と呼んでいたそうです。

 ちょっと重々しい曲です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ディール、パウラ・イェスパーソン:ウェディング・デー

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