一日一曲(599)ティルマン、ヨハネス・パウル:ソナチネOp. 82
本日は、没後50年(1972年1月29日没)を迎えらえたドイツの作曲家、ヨハネス・パウル・ティルマンさんの曲をご紹介します。
1906年に生まれたティルマンさんは、当初は教師を目指していましたが、18歳の時に作曲家になることを決め、独学で音楽を学び始めます。有名な作曲家パウル・ヒンデミットさんなどから個人レッスンを受け、1929年にライプツィヒ音楽院で学び始めます。卒業後の1940年に、故郷のドレスデンにあるカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽学校の教師となり、1956年には教授、1968年には名誉教授となりました。
作風はかなり保守的で、専ら調性があるロマン派音楽の形式の曲を創られています。活躍が「東ドイツ」だったということも影響しているかもしれません。社会主義的リアリズムの美学の良き実践者という位置づけで理解できるのではないかと思います。ティルマンさんの音楽は東ドイツでは大変尊敬され、人気もあったとのことですが、現在では残念ながら「忘れられた」作曲家となってしまっています。
本日の曲は演奏時間約10分の短い曲です。調べたところ、「ヴァイオリンソナタ第2番」と記してある文献もありました。NMLではソナチネ(「小規模なソナタ」という意味)となっていましたので。そちらを尊重しておきます。穏やかで親しみやすいメロディで作られています。技術的にはさほど困難な部分もなく、アマチュア演奏家でも弾いて楽しむことができる曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ティルマン、ヨハネス・パウル:ソナチネOp. 82