一日一曲(180)ミャスコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
本日は、1978年の第6回チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門の優勝者、イリヤ・グルーベルトさんの演奏を。この年は優勝が二名でした。
グルーベルトさんは、リガ出身のロシアのヴァイオリニスト。現在はオランダ在住とのことです。
個人的に、これまではミャスコフスキーさんの作品は初期のピアノソナタをいくつか聴いたくらいでして、あまり印象に残っていなかったというのが正直なところでした。
今回、ヴァイオリン協奏曲を聴いてみまして、親しみやすい曲想にちょっとびっくり。意表を突かれました。調べてみると、新ロマン的な作風になった中期の頃の作品とのこと。晩年はより古典的になったとのことで、中期以降の作品は聴きやすい曲が多いのかもしれません。ソ連にいたというのもその作風の変化の大きな要因になっているのでしょうね。
本曲はソ連を代表する、そして20世紀を代表する名ヴァイオリニスト、ダヴィッド・オイストラフさんに捧げられています。オイストラフさんが愛奏されていらしたそうで、そうでしょうねえ、とそれも納得でした。
3楽章で構成されていますが、第1楽章が曲の半分以上を占めています。曲全体として、技巧的な部分ももちろんありますが、それ以上に、ロマンチックにヴァイオリンを歌わせることに主軸が置かれています。第2楽章など、埋もれているのがもったいないメロディです。
少々古めかしいとも感じますが、現代では失われてしまった「何か」が残っている曲、ともいえるかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/40420