一日一曲(62) オーベール:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

 今年(2021年)没後150年(5/12没)を迎えたフランスの作曲家、ダニエル=フランソワ・オーベールさんの作品から。

 私にとっては、これまであまり聴く機会のない作曲家でした。存命だったころはかなり有名な売れっ子作曲家だったようでして、ワーグナーのライバルのような位置にいらっしゃったようです。ただ、現在ではワーグナーさんは変わらず人気を博していらっしゃるのに対して、オーベールさんは残念ながら「過去の人」となってしまっているようです。
 
 ヴァイオリン協奏曲を聴きながら、オーベールさんはどうして忘れ去られてしまったのかなあ、と考えさせられました。曲自体はきちんと作られていると思います。親しみやすく、聴きやすい曲です。第2楽章など素敵なメロディだなあ、と思います。ただ、全体的にオーベールさん独自の「個性」が希薄なように思いました。なんだか、モーツァルトさんか誰かの二番煎じのように聴こえるんです。目の覚めるような超絶技巧もあるわけではありません。だからといって、個性だらけでとんがりすぎていても後世まで残るとも限りませんし、なかなか難しいなあと思います。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/7854499

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