一日一曲(138)深井史郎:パロディ的な4楽章

 本日は片山杜秀著「鬼子の歌」で採り上げられている日本の作曲家、深井史郎さんの曲をご紹介します。

 「パロディ的な4楽章」は深井さんの代表作のひとつです。全体で4楽章で構成されていまして、各楽章には「ファリャ」「ストラヴィンスキー」「ラヴェル」「ルーセル」と副題がつけられています。それぞれの作曲家の特徴を入れ込んで作曲されています。
 それぞれの作曲家をよくご存じの方でしたら、思わず「ニヤリ」とされるのではないでしょうか。深井さんは実に見事にそれぞれの作曲家の作風を模倣されています。それでも、本曲は深井さん独自の曲。作曲当初は「オリジナリティがない」などという評もあったようですが、そんなことはありません。第3楽章で採り上げられた作曲家で、深井さんが深く敬愛しているラヴェルさんの言葉に、「まねるんだよ。しかし、まねながらも、まだきみ自身にとどまっていられるのは、きみが言うべきなにかをもっているからだ。」がありますが、この言葉をしっかりと受け止め、実際にそれを成し遂げられていると思います。
 本曲ではそんな第3楽章が個人的には一番好きです。白眉と思います。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/100234

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