一日一曲(234)ホヴァネス:交響曲第50番「セント・ヘレンズ山」
本日はアラン・ホヴァネスさんの交響曲第50番「セントヘレンズ山」をご紹介します。
ホヴァネスさんはにマサチューセッツ州生まれのアメリカの作曲家ですが、お父様がアルメニア系だったそうで、本名はアラン・ヴァネス・チャクマクジアンだそうです。
交響曲は生涯に67曲!も書きました。交響曲は第9番を書いて亡くなられたベートーヴェンさん以来、9曲を超えて作品を残す人はまれでした。近年ではちょこちょこいらっしゃるようですが、それにしても、9曲の7倍以上の67曲とはすさまじいですね。しかも、31歳の時にそれまでの作品の多くを破棄している、ということですので、そこから67曲の作曲。平均して1年間に1曲以上は書いていることになります。
本曲は982年1月24日に完成されました。セントヘレンズ山は1980年に5月18日に大噴火しています。おそらく噴火後に作曲されたのではないかと推測しているのですが、約1年半で本曲を作曲したことになるのかな、考えています。ホヴァネスさんは山がお好きだったようで、ほかにもいくつか山を主題とした作品を作られていらっしゃいます。
本曲は3楽章ですが、第3楽章はアダージョの部分とアレグロの部分の2部構成になっています。
第1楽章は噴火前の優美セントへレンズ山を描写しています。1980年の噴火前には「アメリカの富士山」とも言われていたそうです。
第2楽章は山のふもとのスピリット湖の情景。さざ波漂う静かな湖面などが描かれているのでしょうか。噴火後には湖は消滅してしまいました。
第3楽章は噴火の前の静けさと大噴火、そしてその後の描写です。1分44秒あたりから噴火が始まります。迫力ある音楽です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/2198416