一日一曲(254)ポポフ:交響曲第2番「祖国」

 昨日に引き続いてソ連の作曲家ポポフさんの曲をご紹介します。

 交響曲第1番で酷い目にあわされたポポフさんは、ソ連で生き残るために節を屈して作風をガラリと変えます。そうして生まれた曲のひとつが、本曲の交響曲第2番「祖国」。わかりやすいメロディを主体に、民族性も加えた、いわゆる「社会主義リアリズム」を踏襲した曲です。
 交響曲第2番は戦争中に完成した曲(1943年完成)ということで、第3楽章と第4楽章は戦争の影響がうかがえます。最後はソビエトの勝利を願った形での終曲。前線の兵士たちは本曲を聴いて士気を鼓舞したこともあったのかもしれませんね。

 交響曲第1番のような曲は、その後ポポフさんは書きませんでした。自由な国で生まれて活躍していたら、どうなっていたのか。残念ながらそれは神のみぞ知るところとなってしまっています。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/5912232

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