一日一曲(257)マーラー:花の章

 本日は、昨日ご紹介した曲に関連した曲をお届けします。

 昨日のマーラーさんの「交響曲第1番」は、初演されたときから何度か改訂されています。改訂といってもいろいろなレベルがあり、ひとつの音符だけ削ったり音程を半音上げ下げしたり、といった軽微な改訂から、元の曲がまるで分らくなってしまう?ようなレベルのものまであります。本曲の場合は、後者まで極端ではありませんが、結構大掛かりな改訂が加えられました。本日ご紹介する「花の章」は、初稿では第2楽章となっていましたが、改訂後にはまるまる削られてしまいました。ですので、マーラーの第1番を演奏するときには、初稿版で演奏されたり録音される場合もあります。

 

当初第2楽章として構想され、のちに削除された曲は、「花の章」(Blumine) と呼ばれる。この曲は、カッセル歌劇場で朗読上演されたシェッフェルの『ゼッキンゲンのラッパ手』のために書かれた付随音楽が原型とされる。マーラーは作曲当時、カッセルでヨハンナ・リヒターへの失恋を味わい、その後のライプツィヒ時代にはマリオン・ウェーバーと駆け落ちまで考える関係となっている。「花の章」の音楽は、これらの恋愛感情が影響を与えた作品と考えられている。こうした推定に加えて、上記したように恋愛事件が直接の作曲の動機であったとするなら、この「花の章」こそが、交響曲第1番の最初のきっかけであったということになる。

 穏やかな音楽です。トランペットがほのぼのとした旋律を奏でるなか、ヴァイオリンを中心とした弦楽器が甘く柔らかに寄り添います。その後、すこし暗めのメロディとなりますが、最後はまた穏やかな旋律に戻っていきます。6分程度の短い曲です。

 本日も昨日に引き続き日本人指揮者の演奏でどうぞ。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/8660219

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