一日一曲(284)ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ
本日はわたくしの好きなヴァイオリンソナタの中から1曲ご紹介します。
ドビュッシーさんは、1曲だけヴァイオリンソナタを書いていらっしゃいます。人気曲になりまして、演奏会などでしょっちゅう弾かれています。「フランスの3大ヴァイオリンソナタ」を選定するとしたら、かなりの確率で入ってくると思います。(残り2つは、私見ではフランクとラヴェルと考えますが、いかがでしょうか)
第1楽章の物憂いメロディ、ちょっとおどけた第2楽章、第1楽章のメロディを基に目まぐるしい動きを見せる第3楽章で構成されています。第3楽章で第1楽章の主題が用いられているのは、フランクさんがお得意の「循環形式」を意識したのでしょうか。過去の様式に敬意を払いつつ、ドビュッシー独自の美学もふんだんに盛り込まれています。
演奏はそれこそ星の数ほどありますが、今回は少し古い演奏を。今はこんな弾き方をする方はいらっしゃらないのではないでしょうか。最初に聴いたときは別の曲を聴いているのかと思ったくらいでした。「巨匠」の演奏ですが、時代を感じさせます。出だしの部分のヴァイオリンの音の揺らし方、甘さを通り越して甘ったるく感じてしまいます。聴く人によっては「古き良き時代」とノスタルジーな気分に浸れるのかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より
https://ml.naxos.jp/work/8943704