一日一曲(309)ヒンデミット:2台のピアノのためのソナタ
本日のヒンデミット特集は、「2台のピアノのためのソナタ」です。
本曲は1942年、作曲者47歳の時の作品です。5楽章形式で書かれています。個人的に面白かったのが第3楽章と第5楽章。第3楽章はカノン、つまり「追いかけっこ」で書かれています。第1ピアノの旋律を第2ピアノがピッタリとついていきます。4分以上もほぼほぼそのままの音型で追いかけっこが続きます(音の高さがオクターブなど違いますが)。これだけ延々と追いかけっこが続くのは珍しいのではないかと思います。第5楽章はフーガ。カノンをより複雑にした形式ですが、こちらもテーマが追いかけたり追いかけられたりと絡み合って壮大な音楽を形作っています。
演奏のシャラモフ・ピアノ・デュオは、2015年ミュンヘン国際コンクールのピアノ・デュオ部門で優勝されています。この演奏のCDがデビュー盤です。本デュオはブルガリアで結成され、スペインのソフィア王妃高等音楽院で研鑽を積み、ドイツのロストック音楽大学で兄弟デュオとして有名なハンス・ペーター・ステンツルとフォルカー・ステンツルに師事されたとのこと。本デュオも兄妹ペアではないかと思うのですが、兄妹デュオが兄弟デュオに弟子入りしたということだったのかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヒンデミット:2台のピアノのためのソナタ(演奏:シャラモフ・ピアノ・デュオ)