一日一曲(334)ハリソン:琵琶協奏曲

 本日は琵琶の協奏曲をご紹介します。

 昨日の楽器「リュート」の日本版の楽器である琵琶ですが、アメリカの作曲家にもこの楽器で協奏曲を書いた方がいらっしゃいましたので、珍しいと思いご紹介することにしました。
作曲者のルー・シルバー・ハリソンさんは、1917年にポートランドでお生まれになりました。2003年に亡くなるまで精力的に活動されました。現代音楽を代表する作曲家ジョン・ケージと共同で曲を作ったり、ジャズのキース・ジャレットさんとも一緒に活動されたりもしていらっしゃるそうです。
 
 本曲は、4楽章形式ですが、途中の第2楽章は4つの部分から構成されていて、結局のところ7楽章形式と理解してもよいかもしれません。第1楽章、東洋風のメロディが西洋音楽的な土台の上に展開している感じで、不思議な感じがいたします。無窮動的な動きが特徴的です。個人的には第2楽章の3つ目の「Wind and Plum」の風のような琵琶の音色が心に残りました。第3楽章は「リチャード・ロックへの哀歌」と題されていまして、静かな悲しみ包まれた音楽です。第4楽章は第1楽章と似たような感じの無窮動的な動きで始まり、3分40秒あたりから琵琶のカデンツ(独走部分。ただし、少しオケが絡んでくる部分もあります)があり、ここではてんぽがゆっくりとなります。4分44秒あたりからまた無窮動的な動きが復活し、めくるめく熱狂の中、華々しい終曲となります。さほど聴きづらい曲ではありませんので、是非お楽しみください。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ハリソン:琵琶協奏曲

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です