一日一曲(349)別宮貞雄:2つの祈り

 本日は生誕100年(1922年5月24日生)及び没後10年(2012年1月12日没)を迎えられた日本の作曲家、別宮貞雄さんの作品をご紹介します。

 「2つの祈り」は、初期の別宮さんの集大成の曲に位置付けられています。1956年、作曲者34歳の時の作品で、フランス留学からの帰国直後に作曲されました。作曲者自身も「少なくとも修業時代をしめくくる作品といえよう。」と語られています。

 「悲しみを持って」と「雄々しく」の2つの『祈り』から構成されています。
 「悲しみを持って」は悲しみが静かな波のように押し寄せてくるような音楽です。さざ波が重なってだんだん大きくって迫ってくるような感じです。
 「雄々しく」は金管楽器の華々しいファンファーレで開始し、しばらくして弦楽器がフーガの主題を奏でます(43秒あたりから)。管弦楽の各楽器がその主題を展開していく中、トランペットがグレゴリオ聖歌の「クレド」を吹き始めます(3分8秒あたりから)。別宮さんはカトリックの信者だったらしく、その信仰表明の意味合いもあったのかもしれません。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
別宮貞雄:2つの祈り

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