一日一曲(391)ヴェルダー:「無垢と経験の歌」からの3つの小品

 本日は、生誕100年(1922年2月24日生まれ)及び没後10年(2012年5月3日没)を迎えらえた、ドイツの作曲家、フェリックス・ヴェルダーさんの曲をご紹介します。

 お父様も作曲家で、シェーンベルクさんのサークルの一員であったとのことです。お父様のお名前はボアツ・ビショフスヴェルダーさん。ヴェルダーさんが「ビショフス」を省略して名乗るようになったのはなぜなのでしょうね。

 本日ご紹介する曲はタイトルにあります通り、イギリスの詩人、ウィリアム・ブレイクさんの詩集「無垢と経験の歌」から、「序詞」「春」「病めるバラ」の3篇を選んで作曲されたものです。
曲は12音音楽を基調として創られています。そのあたりは血筋なのかもしれません。3つともおどろおどろしい曲になっています。「春」などは、もっと明るく楽しい曲想でも良いのにな、と思うのですが、これがヴェルダーさんの「春」なのでしょう。ちなみに、詩はこんな感じです

 春    ウィリアム・ブレイク

  フルートを吹き鳴らせ
  もっともっと大きな音で
  鳥たちは昼も夜も
  歓喜の声を上げる
  ナイチンゲールは谷間の中で
  ひばりは空で夜明けを告げる
  陽気にいこう
  陽気に 陽気に 春の訪れを歓迎しよう

  男の子たちは
  喜びでいっぱい
  女の子たちは
  可愛らしさいっぱい
  鶏がなくと
  みんなは笑う
  陽気な声
  かわいい叫び
  陽気に 陽気に 春の訪れを歓迎しよう

  子羊ちゃん
  ここだよぼくは
  こっちへきて
  僕の首をなめておくれ
  君の柔らかい毛を
  なでさせておくれ
  君のあたたかい顔に
  キスさせておくれ
  陽気に 陽気に 春の訪れを歓迎しよう

 「病めるバラ」は、音楽と詩がマッチしているかもしれません。ああ、かわいそうなバラ…。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴェルダー:ブレイクの「無垢と経験の歌」からの3つの小品

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