一日一曲(392)ロード:ダーラム協奏曲

 本日は、没後10年(2012年7月6日没)を迎えらえた、イギリスの作曲家・ピアニスト・ハモンドオルガニストのジョン・ロードさんの曲をご紹介します。

 ハモンドオルガンとは、電子楽器の一種で、パイプオルガンのパイプの代わりに、「トーンホイール(歯車状の磁性金属製の円盤)」を回転させて、音を作り出す楽器とのことです。1930年代に作られ、1970年代頃まで活躍した楽器です。その後シンセサイザーに取って代わられることとなりました。

 本日ご紹介する「ダーラム協奏曲」は、ダーラム大学の175周年のために作られた曲です。曲は3つのパートに分かれ、それぞれのパートがさらに2つに分かれているという構成で、演奏時間は約1時間の大曲です。

パートI.モーニング
 ●夜明けの大聖堂
 ●ダーラム・アウェイクス
パートII.午後
 ●リンディスファーンからの道
 ●プレベンド橋から
パートIII.夕方
 ●Rags & Galas
 ●ダーラム・ノクターン

 「夜明けの大聖堂」の夜明けの描写は、同じような描写の音楽の中でも美しいものの上位に十分入ると思います。続く「ダーラム・アウェイクス」では、だんだんと目覚めて活動が開始される様子が聴き取れます。
 パートⅡの「リンディスファーンからの道」では、イングランドの民族楽器の一つ、ノーサンブリアパイプがゆったりとした、なつかしさと温かさを一緒くたにしたような、素敵なメロディを奏でます。本曲の中で一番美しい部分ではないでしょうか。
「プレベンド橋から」は、ダーラムの中心部にある有名な橋を題材にしているのでしょう。独奏チェロが活躍します。
 本曲の中で一番活発な音楽が「Rags & Galas」。次から次へといろいろなメロディが交錯し、音楽は盛り上がります。6分20秒あたりからの部分では、何か有名な曲の引用らしきメロディが聴けるのですが、何だったか…わかる方いらっしゃったらご教示頂けると嬉しいです。
 最後の「ダーラム・ノクターン」は雰囲気的には「リンディスファーンからの道」のような感じで、ここでも味のあるメロディをノーサンブリアパイプが奏でます。だんだんといろいろな楽器が加わり、最後は長い冒険の旅が終わった時のような、幸福感に満ちた盛り上がりの中、曲が閉じられます。

 175周年記念でこれほどの曲ができたのですから、200周年記念では、どうなるのでしょう?2032年を楽しみに待っていたいと思います。

 作曲者のロードさんが自らハモンドオルガンを演奏した自作自演盤でどうぞ。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ロード:ダーラム協奏曲(自作自演)

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