一日一曲(401)デニソフ:ヴァイオリン・ソナチネ
本日は「フレンニコフの7人」シリーズの第4回です。本日はエディソン・デニソフさんの作品をご紹介します。
デニソフさんは1929年生まれ。「フレンニコフの7人」の中のいちばんの年長者で、前回と前々回にご紹介したスミルノフさんとフィルソヴァさんはデニソフさんの門下生になります。おそらく「フレンニコフの7人」の主導的立場にあったことと思いますが、それだけに締め付けも厳しかったのではなかったかと想像しています。「喪」?が明けて1990年には「新しい現代音楽協会(ACM)」議長にもなられましたが、結局ソ連崩壊後はフランスに移住することとなりました。
「エディソン」というのは、珍しい名前ですが、これは、シベリア在住の物理学者(専門:放射線)であったお父様が、偉大なアメリカ人発明家にあやかろうとしてつけられた、とのことです。ご本人はこのお名前と由来にどう思っていらっしゃったのか、興味深いところです。
「名は体を表す」とはよく言われますが、デニソフさんは名前負けせず、ソ連の中で革新的な音楽を書き続けました。1979年の批判は、その作風を苦々しく思っていた一部のお偉いさま方の堪忍袋の緒がとうとう切れてしまったのでしょう。
本時ご紹介する曲「ヴァイオリン・ソナチネ」は演奏時間2分ほどの短い作品です。こちらの曲はどういった経緯で書かれたのかわかりませんが、とても親しみやすいメロディで書かれていて、「ロシアのアバンギャルド作曲家」の曲と思って身構えて聴くと肩透かしを食らってしまう感じです。子供用の練習曲として書かれた作品なのかもしれません。
演奏は、デニソフさんのお孫さんのヴァイオリニスト、フョードル・ルディンさん。ルディンさんは1992年モスクワ生まれ、デニソフさんは1996年没ですので、存命中におじいさまにだっこされたこともあったかもしれません。
ルディンさんは2018年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位(優勝はアメリカのケヴィン・チュー)、指揮者としても活躍されていらっしゃるそうです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デニソフ:ヴァイオリン・ソナチネ(演奏:作曲者の孫)
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